篠崎 和子


5月28日(土)、晴天の下、正午過ぎに、名古屋ボストン美術館のロビーに東京から4カップルと私が集合しました。名古屋からは久米夫妻がご参加いただき、11名の集いになりました。

美術館入口では、出崎事務局長のお出迎えをいただき、レクチャー・ルームにご案内をいただきました。先ずは、愛・地球博記念「ボストン美術館の巨匠たち−愛しきひとびと」という演題で、山口静一前館長からご講話を伺うことが出来ました。

このテーマは三章に分けられて整理されいましたので、判りやすくお話を伺うことができました。

最初は、「理想の美」を古代より求められてきた「人体の美」を中心に、紀元前のギリシャ・エジプト等から20世紀前半までの傾向を「肉体美」、「装飾・環壊に絡んだ美」、「抽象的な美」、「若さと清純さを求める美」に別けた観方を伺いました。

展示品のなかからは、私は子供の無垢な表現に美を見出したドガの「14歳の踊り子」に真に迫る躍動感のあるブロンズ像が特に印象に残りました。

次は「内なるカ」を中心に、目に見える人聞の美を、内面を表現した作品を「指導力」、「英知・決断カ」、「逆境に打ち勝つカ」、および「精神力」という観点からの観方を伺い、展示されている作品に纏わる面白いエピソードを伺いました。

私は「郵便配達員ジョセフ・ルーラン」の働く手を強調して描かれているのが、ゴッホらしい作品だと思いました。配達員として一生働いてきたごつい手に、彼の経験が伝わってきました。

最後は「人聞関係を巡る、様々の愛のかたち」について、「親子」、「恋人」、「友情、社会」に絡んだ観方を伺いました。

アメリカ人のメアリ・カサットの「母性愛」は、娘をいとおしむ母親とお互いに抱き合う温かく自然な絵に心がなごみました。もう一点、ルノワールの「ブージヴァルのダンス」は宗教性がなく、ほのぼのとした色彩と生き生きとした躍動感で、世界中の人気の作品になっているのでしょう。

あと、ココシュカ、シャガール、ドナッテロ、レンブラント、ピカソ、歌麿らの巨匠の素晴らしい作品を2年ぷりに見せていただき、山口先生を初め、スタッフの方々に御礼を申し上げます。

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名古屋ボストン美術館訪問 (2005年)

日本ボストン会 The Boston Association of Japan

2011年 5月 15日 更新

日本ボストン会 The Boston Association of Japan